COPD
COPDは、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)と呼ばれ、日本には500万人以上のCOPD患者さんがいると推定されています。
COPDは、タバコなどの有害な空気を吸い込むことによって、空気の通り道である気道(気管支)や、酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が生じる病気です。その結果、空気の出し入れがうまくいかなくなるので、通常の呼吸ができなくなり、息切れが起こります。長期間にわたる喫煙習慣が主な原因であることから、COPDは"肺の生活習慣病"といわれ、社会的にも注目を浴びています。
肺機能検査でCOPDの早期発見・早期治療を
当院ではスパイロメーターという計測器を用いて、肺の容積や、空気を出し入れする換気機能のレベルを調べる検査を行います。
以下のような項目(肺気量分画)について調べられ、結果から肺機能を診断します。
- 肺活量
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空気を胸いっぱいに吸い込んで、それをすべて吐き出したときに、どれだけ多くの空気を吐き出したかを調べます。
- %肺活量
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年齢や性別から算出された予測肺活量(基準値)に対しての、実測肺活量の比率を調べます。
- 努力性肺活量
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胸いっぱいに息を吸い込み、一気に吐き出した空気の量を調べます。
- 1秒量
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努力性肺活量のうちの最初の1秒間に吐き出された空気の量を調べます。
- 1秒率
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努力性肺活量に対する1秒量の比率を調べます。
異常な場合に疑われる病気
COPDの他に肺結核、肺線維症、気管支喘息、気管支拡張症、肺気腫など慢性の呼吸器疾患
喫煙と全身疾患
タバコは肺がんなど呼吸器系(肺がん、喉頭がん、舌がん、咽頭がん)のがんだけでなく、消化器系(食道がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん)、泌尿器系(腎がん、膀胱がん、尿管がん)、子宮頸部のがんなどにも関与します。
そのほか、タバコによって動脈硬化を生じ、狭心症や心筋梗塞のリスクとなります。
禁煙は高齢となってからでも遅いことはなく、80歳代よりも70歳代で、60歳代よりも50歳代でと、少しでも早く禁煙することにより、寿命が延びることもわかっております。