アレルギー科
アレルギー疾患は世界的に増加傾向にあります。日本も例外ではありません。主な疾患として、気管支ぜん息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーがありますが、この中でも特にスギ・ヒノキ花粉症の急増と低年齢化、乳幼児の食物アレルギーの低年齢化は著しくなっています。
アレルギー疾患は、遺伝的素因に環境因子が関与して発症すると考えられています。
近年のアレルゲン環境の変化、暴露の増加によりアレルギーの素因を有する人では、出生後からアレルゲン感作を受け易いとみられています。食生活の欧米化による過度の高たんぱく食、高脂肪食、外来食品や加工食品の増加は、食物アレルギーや乳児アトピー性皮膚炎の増加に関与しています。また、高密度住宅によるダニ・ハウスダスト、真菌、室内ペットのフケの増加などは気道アレルギー発症に関与しています。
アレルギー疾患の診断は、問診や特有の臨床症状・所見などから行われますが、アレルギー検査は診断の補助や治療に欠かすことのできない検査となっています。
アレルギー疾患は慢性疾患ですが、アレルゲンの関与が明らかな場合にはアレルゲンからの回避や除去が治療の原則であり、食物アレルギーでは除去食療法が基本的な治療法となります。しかし必要ならば、高度医療機関にご紹介の上、食物負荷試験を実施して頂いています。アレルギー疾患全般に使用される抗アレルギー薬は、慢性疾患としてのアレルギーのコントロールに効果がみられています。
当院では、近年増えつつあるアレルギー疾患に対応するべく、アレルギー科を診療科目に加えて、気管支ぜん息やアレルギー性鼻炎、食物アレルギーなどの疾患の問診と検査の体制を整えています。
また問診と血液検査の結果、通年性アレルギー性鼻炎が疑われた場合には、従来の薬物療法に加えてアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)も治療の選択肢に加えています。
対象年齢 : 15歳以上